育児休暇の終わりが見えてくる頃、復帰するか退職するかを悩むママは多いと思います。産休に入る前には想像できなかった我が子の可愛さや、ずっと成長を間近で見守りたいという気持ちが湧いてくるものです。
しかし、就職活動を頑張って仕事を得て、何年もかけて築いたキャリアを手放すことには、すぐに決断できないものですよね。
今回は、育休明けに正社員を続けるメリットと退職するメリットについてお話しします。
正社員を続けるメリット
収入が安定する
正社員の一番のメリットは、収入が安定することです。例えば、育児が少し落ち着いたころには、パートとして働くことを考えるママが多いと思います。
正社員とパートの年収をそれぞれ400万円と120万円と仮定し、30年間働いた場合の生涯収入の差を見てみましょう。
■正社員の場合 400万×30年=1億2000万円
■パートの場合 120万×30年=3600万円
実際の収入差は、働く地域や業界、企業によって異なるため、あくまで一例です。しかし、このようにおおよそ1億円近い差が生まれることになります。
これほどの金額があれば、将来子供のために使えるお金に大きな差が生まれることは間違いありません。
ローンが組みやすい
出産後は、戸建てや新築マンション、車の購入など、ローンを組んで支払う場面が増えることがよくあります。
専業主婦の場合、ローンを組むことは難しく、パートも正社員と比べて安定性に欠けるため、審査が厳しくなり、ローンを組める額も低くなりがちです。
一方で、正社員の場合は安定した収入があると見なされ、ペアローンも組むことができるため、世帯で借入できる金額が増えるというメリットがあります。
キャリア形成できる
正社員として働くことで、キャリアアップの可能性が広がり、仕事に対するやりがいも感じやすくなります。自己成長を実感できる場面も多いでしょう。
さらに、長期的なキャリアプランを立てやすくなるため、将来に対しても安心感を持つことができます。
一方、長時間育児に専念していると、日々の生活に追われて自分の成長を感じる機会が減りがちです。仕事から遠ざかることが続くと、再就職に不安を感じることもあります。
2人目を妊娠した際また育児休暇がとれる
もし兄弟を考えている場合、一人目の育休明けに退職してしまうと、2人目の育児休暇を取得する際に受けられる手当てが大幅に減ってしまうことに注意が必要です。
正社員を続けていれば、2人目の出産でも再度育児休暇を取得でき、その期間中に育児休業給付金などの手当てを受けることができます。
そのため、正社員であれば経済的な負担を軽減しながら、2人目の子どもとじっくり向き合うことができます。
退職するメリット
子供の成長をよく見られる
特に0歳から3歳までの子供の成長は目覚ましく、日々、できることがどんどん増えていきます。
初めて自分でできるようになったことを、いつでも間近で見ることができ、子供と一緒に喜び、その瞬間にすぐに褒めてあげることができるのは、今しかできない貴重な時間です。
子供にとっても、常にママが近くにいるという安心感は非常に重要で、自己肯定感を育む大きな要素となるでしょう。
子供の体調不良に対応できる
子供が小さい頃は、体調不良で突発的に仕事を休まなければならないことが何度もあります。正社員の場合、有給休暇を使っても業務の調整が大変で、どうしても周りに気を使う場面が多くなります。
一方、子供が小さい頃に専業主婦であれば、こうしたストレスから解放され、柔軟に対応できるというメリットがあります。
扶養に入れる
給与が103万円以下の場合、配偶者の社会保険や税の扶養に入ることができます。これにより、配偶者の負担が軽減され、家庭全体の経済的な安定が図れるメリットがあります。
また、扶養に入っている間は、年金や健康保険といった社会保障制度にも守られるため、万が一の病気や怪我に備えることができ、安心感を持ちながら生活することができます。
生活の質が上がる
家庭のことに専念できるため、家事に使える時間が多くなり、家族全体の生活の質が向上する可能性があります。
例えば、食事の準備や家の掃除、子どもの世話に十分な時間をかけることで、家庭内が整い、より快適で余裕の持てる生活が送れます。
正社員で子育て・家事を両立するコツ
会社にある制度を使いこなす
現在、多くの企業がフレックスタイム制度や在宅勤務など、柔軟な働き方を提供しています。これらの制度を活用することで、子どもの生活スタイルに合わせて働くことができます。
また、子どもが病気や怪我をした際に取得できる「子どもの看護休暇」や、勤務時間を短縮できる「時短勤務」など、会社にある制度をしっかり把握し、フル活用することが大切です。
家電に頼る
家事の負担を軽減するために、家電を積極的に活用することは非常に効果的です。
例えば、食事の準備には圧力鍋などの調理器具を、掃除にはお掃除ロボット、洗濯には乾燥機能付きの全自動洗濯機などを使うことで、時間と労力を大幅に節約できます。
また、こうした家電に投資できるのも、正社員ならではの特権と言えるでしょう。浮いた時間を子どもと過ごし、保育園や幼稚園での出来事をじっくり聞いたり、親子の時間を大切にしたりすることができます。
パパの協力
ママが正社員として働くには、パパの協力が欠かせません。家事や育児、そして仕事の大変さをお互いにシェアすることで、さらに良い関係を築くことができます。
もしパパが家事や育児に協力しない場合は、「私にも収入があるから、いつでもあなたを捨てられるわよ」くらいの強い気持ちで、自分だけが抱え込まないようにしましょう。
まとめ
このように、正社員を続ける場合は主に金銭面に余裕が生まれ、退職する場合は時間に余裕ができるというメリットがあります。それぞれに異なる利点があり、どちらの選択肢にも大きな価値があります。
いずれにしても、正社員を続けることも、退職することも、子供を思って自分なりに最善の決断を下した結果であることは間違いありません。
自分自身と家族にとって最も良い選択をするための参考になれば幸いです。
